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2004.12.15

「サンタクロースの部屋」 松岡享子著 こぐま社

5年くらい前だろうか。幼稚園の図書室で「サンタクロースの部屋 -子どもと本をめぐって-」を借りてから、毎年この時期には読み返している。今年も、図書館で借りてきた。この本には、児童図書と子供達への愛情に満ちた基礎知識やアドバイス・警鐘など、いろいろなことが書かれている。そして、冒頭の-はしがきにかえて-に次のような文がある。

サンタクロースの部屋―  松岡 享子 より引用(P3-P5)

 12月にはいると、街はもうおきまりのクリスマスの風景。「ああ、またジングルベルの季節がきたか」と大人たちは思い、子どもたちの多くは、やはりサンタクロースのことを考える。やれケーキよ、プレゼントよと、商業主義のあおりたてる騒がしさの中で、それでも「サンタクロースは本当にいるのだろうか」と真剣に問い掛ける子どもが、今年もまた何人かいるに違いない。
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 もう数年前のことになるが、アメリカのある児童文学評論誌に、次のような一文が掲載されていた。「子どもたちは、遅かれ早かれ、サンタクロースが本当はだれかを知る。知ってしまえば、そのこと自体は他愛のないこととして片付けられてしまうだろう。しかし、幼い日に、心からサンタクロースの存在を信じることは、その人の中に、信じるという能力を養う。わたしたちは、サンタクロースその人の重要さのためだけでなく、サンタクロースが、子どもの心に働き掛けて生み出すこの能力のゆえに、サンタクロースをもっと大事にしなければいけない。」というのが、その大要であった。
 この能力には、確かにキャパシテイ―という言葉が使われていた。キャパシテイーは、劇場の座席数を示すときなどに使われる言葉で、収容能力を意味する。心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中に、サンタクロースを収容する空間を作り上げている。サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出て行ってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人を、ここに迎え入れることができる。
     *
 この空間、この収容能力、つまり目に見えないものを信じるという心の働きが、人間の精神生活のあらゆる面で、どんなに重要かはいうまでもない。のちに、いちばん崇高なものを宿すかもしれぬ心の場所が、実は幼い日にサンタクロースを住まわせることによってつくられるのだ。別に、サンタクロースには限らない。魔法使いでも、妖精でも、鬼でも、仙人でも、ものいう動物でも、空飛ぶくつでも、打ち出の小槌でも、岩戸をあけるおまじないでもよい。幼い心に、これらのふしぎの住める空間をたっぷりとってやりたい。

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うちの息子達の心の部屋には、サンタクロースのほか、ドラえもん、しんちゃん、ハリーポッター、マリオ、カービイ、コロボックルなどが住んでいそう。成長するにつれ、ゲームキャラが浸透してきた様子。時代の流れとあきらめつつも、ゲームキャラ一色に染まらないようにと願っている。

先週の小学校の個人面談では、二人そろって国語力(特に文字と読解力)不足を指摘された。母が読み聞かせるのに慣れてしまって、自分で読めないのかもしれないと反省していたのだが、この本を読み直して、子供が聞く限りは読み聞かせを続けようかと思いなおした。

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